三角屋根が並ぶあの場所は?
since September 17th, 2005


突然ですが、まずはこれをご覧ください。


新幹線で東京を目指している途中、小田原を通り過ぎて5分後くらいでしょうか
同じようなデザインの家が並ぶ一帯で、意外と注目を集めています。
毎回、超高速で通り過ぎるここは一体どんな場所なのか。

「そうだ、ここ(※地名がわからない) 行こう。」




まずはここが何という地名なのかを探さなければなりません。
そこで地図ソフトの登場ですが、Googleマップで十分です。
ひたすら東海道新幹線の線路沿いを移動させていくと、
平塚市日向岡という場所である事が判明しました。

次に、どうやったらここまで行く事ができるかを調べなければいけません。
自家用車で行くのが簡単なんですが、探検する面白みがないので却下(本当は運転が面倒)。
そこで公共交通機関の登場なわけですが、
鉄道はご承知のとおり新幹線が素通りするだけなので、
まずは平塚市を走っているバス路線を探す必要があります。
すると神奈川中央交通という会社を発見、
同社の路線バスに日向岡を走る路線がある事が判明しました。
ここまで明らかになればもう行ったも同然です。

という事で、実際に行って見ますか。

平塚の中心部から郊外に走ること約20分、見たことのある建物が見えてきました。普段は前方の新幹線の高架から見ていた風景ですが、別アングルで見るのもまた一興。
交差点を直進すれば日向岡トンネルを抜け、めぐみが丘(こちらは「丘」)方面に行くことができます。でもバスは高架のすぐ後ろの交差点を右折。
上記の坂間バス停はこの交差点の近くです。
交差点を右折すると、とんでもなく狭い道。乗用車とすれ違うのも不可能なくらい狭いです。
バス同士がすれ違おうとすると、こんな状況になります。奥に見えるバスはこちらに入ることが出来ず、しかも後続にもバスがいてバックもできないためににあの場所に退避中。信号のある交差点なのにカーブミラーがあるのは、大型車同士が鉢合わせにならないように確認するためだったりします。
この後、バスは後退して交差点を曲がりなおしたのは言うまでもありませんが、この状況なんとかしなさいよ!と余所者は遠慮なく文句言います。
ということで、この交差点の恐ろしさを知っている運転士さんは、例え前方の信号が青でもあのように交差点で待避しているわけです(カーブミラーに注目)。ちなみに右のマイクロバスはこちらに進入する事を諦めて日向岡トンネル方面に走り去っていきました。
せっかく知らない場所に来たのですから、「入口」から探検です。平塚駅から約20分、270円。
日向岡は北東側から入って南斜面を登りながら迂回、北西へ抜ける道を軸に構成されていますが、ここは北東側斜面。まずはこの通りに沿って散策開始です。
上のバス停の場所とは別の「入口」。バス停的には1つ前のバス停付近です。
とある映画で思いっきりここが映っています。
知らない場所を歩く時は、大きな道から。いきなり脇道に逸れると迷う事間違いなし。
この坂道は結構な勾配で、車で走るとアクセルをかなり踏み込まないと登っていきません。
東側斜面。高村団地と湘南平のテレビ塔が見えます。あちらからの眺めは下のほうにあります。
ドラマとかアニメなどに出てきそうなそんな雰囲気。
日向岡に非常に似た場所が登場したテレビ番組などがあります

この辺まで来ると結構いい眺めになります。
日向岡二丁目バス停前にある山王山公園。小さいながらも遊歩道が整備されています。日向岡には公園が4箇所整備されています。
日向岡の南東側斜面、山王山公園の横の道は人の気配が感じられない場所。
この画像は雪が降った翌日に撮影しているので道に雪が残っています。
少し先、開けている場所は新幹線のビュースポット。一時期、熱心なファンの方が三脚建ててスタンバイしている光景が毎日見られたそうですが、東海道新幹線から500系が撤退すると全くいなくなったそうです。
上記の道を下っていく途中にある、根坂間横穴群の説明板。
非常に地味な場所にひっそりとあるので、殆ど見てもらえていないと思います。
山王山公園の裏側の森林は遺跡になっていて、数々の品が出土されています。
この遺跡は立入禁止になっています。

大きいサイズはこちら。
山王山公園の交差点から日向岡を横断してみたいと思います。
カラフルな配色は自宅を説明するのに苦労しない事でしょうと思いきや、同じ色の住宅があると…
もうすぐ最高地点です。海抜65.7メートル。
こんな標識が地味に貼られています。
犯罪防止に比べたら些細な事なんでしょう。
今は撤去されたみたいで見つけられません。
東日本大震災以降、上の標識に変わりましてこんなのが取り付けられています。万が一の時はここまで逃げてくればひとまず安心らしいです。
最高地点にある旭陵中学校。屋上からは湘南の海を一望(できるはず)。
さすがに学校の屋上に上がらせてもらうわけにはいきません。
黄色い三角屋根の建物の近辺が、日向岡唯一の商業地域。病院、薬局、酒屋、パン屋などがあります。冬季、晴天時には中央建物の屋根やや左に富士山が見えます
横道にそれるとこれ以上は無いだろうというくらいのカラフルな住宅ゾーン。
上記とは別の場所。もうファンタジーの世界です。外壁の清掃は欠かせない事と思います。
湘南日向岡バス停。平塚駅行きが毎時2〜3本、伊勢原駅行きは毎時1本程度。
柵の向こう側は小田原厚木道路が通っています。そしてこのような景色を見ることが出来ます。
このバス停は伊勢原駅行きで、平塚駅行きは写真右にあります。
画像右の建物は日向岡トンネル管理棟。このバス停の真下を日向岡トンネルが通っています。
日向岡限定マンホールの蓋2003年バージョン。
1985年バージョンも見つけましたが、絵柄は全く一緒でした。
刻まれている年で、付近の道路がいつ整備されたのかが判ります。
日向岡に限らず丘陵地には大抵あるショートカット階段。
日向岡にも階段は数多くありますが、ここは一部の方々には「聖地」とまで言われている階段。
毎日利用すればかなり足腰が鍛えられるはずです。
同じ階段を下から見たところ。これだけを見てもかなりの難敵であることが窺えます。
ちなみにこの階段は全98段となっておりますが、階段は坂道よりも疲れます。
上記階段の全景。体力増強にはもってこいの角度と段数です。実際に見下ろすと結構怖いです。雨が降ると何も見えません。
新幹線ビュースポットとしても有名ですが、ゴミは置き去りにしないでください。各自持ち帰ってください。本当にお願いします
ショートカット階段を登りきった地点からは大磯方面に海を見ることもできます。平塚市街地方面はこちら
続いて南側。南側はカラフルな東側、中央部からは一転、田園風景です。
ここだけ見ると何処なのか分かりませんが、何とものどかではないですか。
まるで獣道のような農道ですが、ここだって日向岡(だと思う)。舗装が年数を感じさせます。
先ほどの農道を登りきると八剱神社という神社があります。建てっぱなしではなく、ちゃんと管理されている様子。
八剱神社から下る道が延びていて、行き着く先はこんな場所。人の気配が全く無いため、昼間でもあまり居たくない場所です。
南側斜面には日向岡遊水地があります。高台から見下ろす実物は壮観です。
日向岡入口のバス停付近にも遊水地がありましたっけ。これが活用される事のないように願って止みません。
西側は小田原厚木道路(以降、小田厚)に沿っているため、騒音が激しいです。
すぐ近くに見えるのは小田厚の平塚料金所。平塚インターは更に厚木方面へ。
湘南日向岡バス停から更に坂を下っていくと、日向岡地区唯一の信号機がある交差点。県道63号線です。
日向岡団地北入口だそうで、日向岡の北側に位置します。
ちゃんと標識が出ているのはここだけ。後ろの高架は小田原厚木道路。
上記の信号機のある交差点から少し戻りまして最初の十字路を東の方向に進むと、絶壁の下を道が通る珍しい場所に。センターラインが引かれていますが、交通量はさほど多くないようです。日向岡の北側斜面で、遠くにはめぐみが丘が見えます。
この階段は松葉公園の入口。さすが日向岡、公園に入るのにも階段とは。
この公園の入口は全部で3箇所です。
松葉公園。遊具があったり鉄塔が建っていたりと、実に忙しい公園です。
この公園にはトイレがありません。水道を引くのが難儀なのでしょうか。
通りすがりに利用するような公園ではないので問題無いのでしょう。
湘南日向岡バス停の場所からはこのような風景が眺められるわけですが、写真でも見られる道路は、日向岡の真下をトンネルで抜けています。
写真中央は中沢橋交差点。交通量はかなり多いです。
日向岡トンネル。全長555メートル。歩道も整備されていますが、徒歩通行者は滅多にいません。壁面には付近の中学生の絵画作品が展示されています。後ろから来る自転車に注意。
両方のトンネル入口にはこのようなプレートが埋め込まれています。
日向岡トンネル管理棟の横から階段が延びていて、階段を下りると日向岡トンネルの横に出てきます。


あと、よかったらこのような画像など。協力していただいた方に多大な感謝をいたします。
そのほか、日向岡の様子を外から見てみたいと思います。

根坂間の田園地帯から日向岡の東側斜面。
小田厚越しに見る日向岡西側斜面。Googleストリートビューに小田厚が追加されているので、小田厚目線で日向岡を見ることができます。
めぐみが丘から見る日向岡北側斜面。写真左、一部分だけ盛り上がっている林が松葉公園。
自分で撮影していながら、撮影場所の地域名が分かりません。
ただし、車でないと行くのが困難な場所であることは確かです。
日向岡南側斜面。
湘南平の展望台からの日向岡。画像ほぼ中央が日向岡。その手前を横切るのが東海道新幹線。拡大画像はこちら

このページの一番上画像は2005年9月17日のものですが、それ以前の画像など少々。
新たに開発・造成されていく様子がよくわかります。

2000年2月12日。斜面に沿った宅地開発が行われる前なので、斜面がはっきり見えています。
2000年11月18日。日向岡トンネルの上から延びる道もまだありません。
2001年4月1日。
2002年11月4日。いよいよ道の造成工事が始まりました。
2003年3月8日。工事がだいぶ進み、一部はコンクリートで整備されています。
youtubeで面白い動画を見つけたのでその中から。
4分20秒あたりから見ることができます。
右側に見える造成中の山が日向岡となる場所です。
土地開発事業の開始が昭和49年5月、区画整理事業の開始が昭和55年3月なので、道路が整備されつつある状態を見ると、それ以降から昭和60年くらいまでの間ではないでしょうか。

さて、なぜこのような三角屋根の住宅ばかりなのかという事ですが、
この地区を造成した東急建設の意向によるもののようで、
新築の際は三角屋根にする取り決めがあったようです。
それに加え、目の前を走る新幹線の客に見られる事も想定しているようです。
その思惑は見事に当たったわけでして。

こちらへのアクセスは、JR平塚駅からバス利用が一般的です。
平28湘南日向岡行きに乗り約20分で着きます。
平30湘南めぐみが丘行きなど
坂間バス停を通る路線も利用できます。


最後にこのページを作成するにあたって
お世話になった方々に厚く御礼申し上げます。



撮影日:
2005年 9月17日/11月13日
2006年 2月5日/7月8日/9月16日/12月2日
2007年 4月1日/9月15日
2008年 4月5日/8月15日/9月15日
2009年 1月10日/2月21日/4月4日/5月23日/12月19日
2010年 3月27日/7月3日/9月19日

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